今回はポルトガルのリーグについてみていきたいと思います。
強豪クラブ
ポルトガルの強豪クラブとしては首都リスボンを本拠地にするベンフィカ、スポルティングと第2の都市ポルトが本拠地のポルトがある。リーグが発足してから一番優勝をしているのはベンフィカの37回で、続いてポルトの29回、スポルティングの18回という感じである。ポルトガルのリーグはこの3チームの実力が他のクラブとかなり離れており、このクラブ以外が優勝をしたのは2回だけである。そのためこの3クラブをトレス・グランデス(三強)と呼んだりするらしい。トレス・グランデスに続くクラブとしてはブラガとヴィトーリア・ギマランイスがある。特にブラガは近年トレス・グランデスに近い存在で、2010年代には6回の4位と、トレス・グランデスに割り込んで3位になったことが2回、カップ戦を3回優勝をした。
ポルトガル代表のメンバーもトレス・グランデスの出身メンバーが大半で、2020年11月の代表メンバー25人のうち17人がトレス・グランデスの出身である。同じに、ポルトガルの優秀な選手はだいたいトレス・グランデスの出身みたいな話を「Football Managerのリサーチャーにインタビュー ポルトガル編(翻訳記事)」においてFMのポルトガル担当のリサーチャーもしている。
リーグの強さ
大陸大会
2018-19年のUEFAのリーグランキングではロシアに続く7位で、1つ下にはベルギーがいる。そのため2020-2021年のチャンピオンズリーグは、リーグ優勝クラブはグループステージ、2位のクラブは予選3回戦からの参加となる。今ではUEFAのリーグランキングでポルトガルがロシアを抜いて6位となったので次のチャンピオンズリーグでは3クラブの参加となる。2019-20シーズンのチャンピオンズリーグではベンフィカがグループリーグから、ポルトが予選から参加をしている。ベンフィカはドイツのライプツィヒ、フランスのリヨン、ロシアのゼニトと同じグループで3位となりヨーロッパリーグに回ることとなった。ポルトは予選で敗退をしてヨーロッパリーグのグループリーグに回ることとなった。チャンピオンズリーグの優勝回数は4回で、直近ではモウリーニョが率いるポルトが2003-04年に優勝をしている。ここ10年でチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに上がった回数はポルトが3回、ベンフィカが1回という感じである。
給料
選手の年俸を見ると、ベンフィカとポルトガルが一番多く、最高で3-4億円、主力で2億円台、スタメンで1億円台、控えで3000万-1億円といった感じである。スポルティングは少し待遇が下がって、最高で2億円となるが、控えが3000万円ほどというのはかわらない。ブラガとなるとそこからさらに下がって、2000万-1億円というかんじである。それ以下のクラブになると大きく待遇が下がり、中位で800-4000万円ほど、下位だと500-2000万円ほどとなる。他のヨーロッパのリーグと同様に、大陸大会に参加をするクラブとそうでないクラブで資金力の差が出来ており、それがさらに戦力と成績に結びつき、また大陸大会に結びつくというスパイラルになっている気がする。資金的にも戦力的にもトレス・グランデスはJよりも上という感じだが、中下位くらいからはJの上位と同じくらいのような感じもする。
観客動員数
スタジアムの規模は基本的にクラブの強さと比例をしていて、ベンフィカが一番大きい64,642人の収容人数で、続いてスポルティングの50,485人、ポルトの50,035人となっている。そこに続くのが1940,50年代に活躍をしたCFベレネンセスの後継クラブのベレネンセスSADが37,000人という収容人数となっている。そこに続くレベルのクラブだと30,000人規模のスタジアムを持っているが、下位となると5000-12,000人規模のスタジアムとなる。
観客動員数もトレス・グランデスが他のクラブを圧倒しており、2018-19年シーズンの平均動員数はベンフィカが53,814人、ポルトが41,626人、スポルティングが33,691人となっている。そこから少し離れてヴィトーリア・ギマランイスが18,249人、ブラガが12,035人となっており、ここまでが1万人を超えている。他のクラブは2,000-8,000人となっている。
有力選手
ベンフィカ
ユリアン・ヴァイグル
元々はドイツ2部のTSV1860ミュンヘンでプレイをしていたが、2015年にボルシア・ドルトムントに引き抜かれる。最初の2シーズンはレギュラーとしてプレイをしていたが、次第に出場機会を減らし、ベンフィカへ移籍をした。プレイの正確性や安定感に関するスキルとメンタルは素晴らしいが、試合に対して直接働く長所があまりない感じがする。
ヤン・フェルトンゲン
トットナムやベルギー代表で長く活躍をしてきた選手。守備とビルドアップに関するスキルとメンタルが全体的に優れている。フィジカルを見ると空中戦やボディコンタクトは良いが、起動面に問題がある感じ。
ニコラス・オタメンディ
マンチェスター・シティやアルゼンチン代表として活躍をしたオタメンディ。現在はベンフィカでフェルトンゲンとセンターバックを守っている。高齢ではあるが、まだまだ全般的に能力が良く、何でもできる選手。
アデル・ターラブト
若手の頃は才能を非常に評価されており、トットナムやミランでプレイをしていたが、現在はベンフィカに所属をしている。集中力が9低くプレイの安定感に問題があるが、スキル関係の能力、ひらめき、視野、バランスは優れており、さすがという感じ。
アレハンドロ・グリマルド
バルセロナのユースの出身のサイドバックなのだが、かなりバルセロナっぽい特徴が現れている。サイドバックではあるが攻撃的なスキル、オフザボール、視野といったポゼッションで攻めているときに必要な能力が優れている。視野が16のサイドバックはなかなかいないと思う。
エヴェルトン・セボリーニャ
昨シーズンまでブラジルグレミオに所属をしていたブラジル代表選手。得点能力があるが、ドリブルもアシストもできる良い選手。
小久保 玲央
柏レイソルのユース出身で、ベンフィカのリザーブでプレイをしている、年代別の日本代表の小久保もFMには収録をされている。コーチングに難はあるが、この年齢にしては悪くない能力をしており、今後が楽しみ。
ポルト
ペペ
レアル・マドリードで長く活躍をしたペペだが、現在はレアル・マドリードの前に所属をしていたポルトに戻っている。スキルとメンタルが素晴らしいのはもちろんのこと、37歳と高齢ではあるが、フィジカルもまだしっかりとしている。
フェリペ・アンデルソン
ウエスト・ハムからレンタルで加入をしている。運動量や集中力に課題はあるものの、ドリブルやアシストに関する能力は非常に優れているが、モイーズと相性が良くなかったのか、レンタルとなっている。
中島 翔哉
日本代表の中島も現在はレンタルで外に出ているが、ポルトに所属をしている。できることと、できないことがかなりハッキリとした能力をしている。
スポルディング
セバスティアン・コアテス
若い頃はリヴァプールにいたが、スポルディングに流れ着いて、今年で6シーズン目。普通に優秀なセンターバックで、現在のリヴァプールからすると喉から手が出るほど欲しいのでは。
ジョアン・マリオ
一時はインテルでプレイをしていたが、元々はスポルディングの出身で、戻ってきた形になる。プレイに対する熱心さに欠けるが、優秀な選手。
ペドロ・ゴンサウヴェス
ブルーノ・フェルナンデスが抜けた穴を埋める活躍を果たしている選手。しかし、これだけ優秀だと彼もビッグクラブに抜かれるのは時間の問題か。
その他
ニコラス・ガイタン
元アルゼンチン代表で、ブラガ所属の選手。高齢だが、ドリブルやアシストに関する能力が非常に高い。
リカルド・オルタ
ブラガ所属の選手。ポルトガル代表経験があり、得点能力が高い2列目の選手。
リカルド・クアレスマ
独特なプレイスタイルで有名なクアレスマだが、現在はヴィトーリア・ギマランイスに所属をしている。能力もやはり独特で、ボールを持てば最強だが、それ以外はさっぱりという感じ。
マーカス・エドワーズ
ヴィトーリア・ギマランイスに所属の選手。元々はトットナムのユース出身なのだが、このクラブに加入をしてからブレイクをした。運動量が低かったりと少し癖のある選手ではあるが、攻撃関係の能力が全般的に優れており、プレミアのビッグ6にいてもおかしくはないレベルの評価をされている。
食野 亮太郎
マンチェスター・シティ所属の飯野だが、現在はポルトガルのリオ・アヴェに所属をしている。これくらいのレベルのクラブで主力として活躍をできれば、ヨーロッパでやっていける選手になれそうだが。
安西 幸輝
元鹿島の安西も現在はポルトガルのリーグでプレイをしていて、ポルティモネンセに所属をしている。ポルティモネンセは日本人を積極的に獲得するクラブで、過去には金崎、中島、権田が所属をしていた。
藤本 寛也
ジル・ヴィセンテの所属。オフザボールや予測力が低く、ボールを持っていないときの動きは全くダメだが、パス関係の能力は高い評価を受けている。
リーグのルール
リーグ戦の構造とカップ戦
トップディビジョンに参加をしているクラブの数は18で、ホーム&アウェーの計34試合を行う。下位2クラブは自動降格で、下から3番目のクラブは2部の3位のクラブでホーム&アウェーのプレイオフを行って降格か残留かが決まる。
リーグ戦は参加チームが少ないため、34試合と数が少ないが、ポルトガルはカップ戦が多め。カップ戦は3つあり、1つめは4部以上のクラブが参加をするタッサ・デ・ポルトガル、2つめは1,2部のクラブが参加をするタッサ・ダ・リーガ、3つめは前年のリーグとタッサ・デ・ポルトガルの覇者が対戦をするスーペルタッサ・カンディド・デ・オリベイラだ。なので場合によっては3つのカップ戦に参加をすることになり、大陸大会も合わせると中々な試合数になる。タッサ・ダ・リーガは本来は1,2部の全クラブが参加をするのだが、コロナの影響で2020-21シーズンは1部の1-6位と2部の1,2位の計8クラブが参加をする形式となっている。タッサ・ダ・リーガの参加クラブ変更は、現実では1シーズン限りらしいのだが、FM21では来シーズン以降も続くようだ。
選手登録
ポルトガルから移籍をした選手
ポルトとベンフィカから移籍をした有名選手はたくさんおり、それぞれ以下の記事でまとめているのでそちらを参照して欲しい。
ファビーニョ
現在リヴァプールで活躍をしているファビーニョだが、彼と最初に契約を結んだヨーロッパのクラブはポルトガルのリオ・アヴェである。しかしながら、すぐにレアル・マドリードに期限付き移籍をしたり、モナコに期限付き移籍をして、そのまま完全移籍もしたりして、リオ・アヴェで試合に出た経験は無かったりする。だが、クラブには8億円の移籍金を残している。
ラファエル・レオン
現在はミランでプレイをしているレオンだが、元々はユースからプロデビューまではスポルティング・リスボンでプレイをしていた。期待をされていた選手ではあったが、2018年にサポーターの襲撃にあい、それを機にフリーでフランスのリールに移籍をして、その後にミランへ移籍をしている。
ブルーノ・フェルナンデス
マンチェスター・ユナイテッドで大活躍をしているフェルナンデスだが、その前はスポルティング・リスボンで活躍をしていた。彼が出ていったことで、リスボンは穴埋めに苦労を苦労しそうであったが、前述のペドロ・ゴンサウヴェスが活躍をして何とかなっているとか。
フランシスコ・トリンコン
ブラガの出身の選手だが、2020年にメッシの後継者を探しているバルセロナに引き抜かれた。メッシと同じレベルの選手になれるかはわからないが、20歳という若い年齢にもかかわらず、そこそこの活躍をしている。
ディオゴ・ジョッタ
欧州で活躍をしているポルトガル人としては珍しいパソス・デ・フェレイラの出身の選手。本人もFootball Managerシリーズの大ファンらしく、本人がインタビューに答えていたり、FMの選手能力を決めるリサーチャーのポルトガル担当者のインタビューでも、FMでの自分の能力に文句を言うエピソードが出てきたりする。
Twitter(@kerlon_fm)もやっているので、よろしければフォローをよろしくお願いいたします。
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