今回はポルトガルの共同ヘッドリサーチャーのCarlos BessaとBruno Luisへのインタビューです。ワンダーキッドを多数排出しているポルトガルでのリサーチ業について語っています。
これまでに、南アフリカ、スコットランド、スイス、アルゼンチンと、3大陸4カ国のリサーチャーたちにインタビューをしてきました。今回は、サッカーが盛んなポルトガルに赴き、あわせて16年にもわたって当社の膨大なリサーチチームに貢献してくれているCarlosとBrunoにお話をうかがいました。
Carlos:ポルト出身のCarlos Bessaです。アシスタントリサーチャーとして、Football Manager 2010のデータベースから携わり始めました。子供の頃に2001を始めてから、何百時間もプレイしてきました。FM10以来、すべてのエディションをプレイしています。
Bruno:リスボンのBruno Luisです。私がまだ子供だった頃、隔週でいとこの家に行っていました。彼は一日中、古いFMをプレイしていて、イングランドのリーグだけをプレイしていました。1999年には最初のコンピュータを手に入れ、ようやく大好きなゲームを始めることができました。それ以来、私はほとんどのFMをプレイするのに数え切れないほどの時間を費やし、最終的に2014年にリサーチチームに参加しました。
リサーチャーを始めたきっかけは?
Carlos:毎年、私は能力やプレイ特性についてのメモを書き、自分自身の「更新されたデータベース」を作成していました。2010年、私は元ポルトガルのヘッドリサーチャーのJosé Chieiraに連絡を取り、ポルトガルのデータベースのさらなる改善に貢献したいと申し出ました。彼はすぐに承諾し、その年以来、私はポルトガルのリサーチチームを手伝ってきました。2015/2016年シーズンには、プロのスカウトマンとしての仕事と並行して時間がないため、JoséがBrunoと私を新しいポルトガル人ヘッドリサーチャーに誘ってくれました。
Bruno:カルロスと同じように、私も自分でデータベースを作ってポルトガルのコミュニティに公開していましたが、彼とは違って、リサーチチームに参加する可能性があるとは思ってもいませんでした。リサーチチームへの入り方は全く違っていました。
数年間、私は毎日のようにSIのフォーラムに、ポルトガルのデータベースから不完全だったり主観的ではない、事実に基づく詳細な情報を投稿し、それぞれの訂正を行っていました。それが続いていたのですが、Dean Gripton(上級リサーチコーディネータ/イングランドのヘッドリサーチャー)から、アシスタントリサーチャーになることに興味があるかどうか連絡がありました。明らかに答えはイエスでした。次のステップは、Joséに話をすることでした。私はJoséに150ページに及ぶ微調整や修正の提案が書かれた文書を送りました。私はポルトガルの第3ディビジョンの仕事を始め、その後、アフリカ担当のLouis Plattのアシスタントとしてカーボベルデ、ギニアビサウ、アンゴラ、サントメを担当することになりました。その後まもなく、カルロスと一緒にポルトガルの共同ヘッドリサーチャーに招かれました。
選手の能力を適切に評価をするためにどれくらいの試合を見る必要がありますか?
Carlos&Bruno:それは選手によります。通常は3~5試合、特に異なる条件(天候、フィールドの広さ、ファン、相手のレベルなど)でのプレイを見ることで、選手の能力とゲームの様々な瞬間(守備と攻撃の組織、守備と攻撃のトランジション、セットピース)での振る舞いについての大きな知見を得ることができます。
テレビから選手を見ていると、ボールに焦点を当てているため、選手の全体像が見えてきません。
評価が難しい能力は?
Carlos&Bruno:性格に関する能力です。それらは最も主観的なものであるだけでなく、試合だけでは完全に見ることができません。完全な知識を得るためには、フィールド外で選手や態度を追う必要があり、スタジアムで観察してその充実度を評価する能力よりもはるかに時間がかかります。
潜在能力の評価はどれくらい難しいですか?
Carlos&Bruno:家族、精神的な安定性やサポート、キャリアマネジメントに関して適切な人々が周りにいるか、一緒に仕事をしている監督は、彼らにチャンスを与えようとしているのか、それとも若手の育成は優先事項ではないのか、専門分野ではないのかなど、フィールド外の多くの要素にも左右されるため、様々な要因が組み合わさっているのだと思います。
それにもかかわらず、一人一人がイベントによって異なる影響を受けます。ある人はそれを個人的な挑戦として受け止め、ステップアップするかもしれませんし、ある人は同じ境遇で落ち込むかもしれません。一人一人の反応とその展開を予測する正確な科学はありませんが、彼らのメンタリティを理解することは、ポテンシャルを正しく評価をするための一歩です。
リサーチチームとしての立場が、あなたのFMのプレイに影響をしていますか?
Carlos:私たちのデータベースのほとんどを知っているので、いくつかの '驚き'を見つけるためにポルトガルの低いディビジョンでプレイをして、有名ではない選手を発掘しています。
Bruno:あまり関係ないです。世界中のトップチームでプレイするのが好きではありませんでした。特に自分がよく知らないリーグや代表チームなど、いつも下から始めるのが好きでした。もちろん、ヘッドリサーチャーとして働くことは、選手と契約する際にどのようなスキルを持っているかを知るという点では役に立ちますが、ほとんどの場合、聞いたこともないような選手と契約してしまい、「世界のトップ」に到達する頃には、各シリーズの最初からいたワンダーキッドは、もはや若くもなく、無名でもないのです。
注目をしていた選手の中で活躍をした選手はいますか?
Carlos&Bruno:ポルトガルは毎年、スターを世界中のトップリーグに輸出している人材育成国なので、簡単に何十人もの名前をあげることができます。しかし、その99%が3つのチーム(ベンフィカ、スポルティング、ポルト)の出身であることを考慮に入れれば、それらのチームは生き残るためにはユースの才能を育て続ける必要があり、ヨーロッパのトップリーグ以外のチームの中で最高のチームとして維持する必要があるので、これらのクラブで優秀な若手を見つけることは難しいことではありません。
ディオゴ・ジョタは、これら3つのチームの外では、明るい未来があると予想されていた最高の選手であり、それに応えてきた選手かもしれません。
パソス・デ・フェレイラに所属していた18歳の時、彼はワンダーキッドと評価されていましたが、それ以上の存在となりました。今ではほとんどの人が知っているように、彼は熱心なFMファンで、当時はよく彼とゲームについて話していました。彼は私達に自分のゲーム内の能力が低いので上げてくれとも言っていました。
ブラガのフランシスコ・トリンコンは、10代の頃にワンダーキッドと評価していたポルトガル人選手の一例で、今ではヨーロッパのビッグチームのバルセロナに所属しています。私たちは彼に大きな期待を寄せています。
Another wonderkid flies the nest 💌 https://t.co/0JJOVxIQSX
— Football Manager (@FootballManager) January 31, 2020
ポルトガルのリサーチで特有な課題があったりしますか?
Carlos&Bruno:チーム専属のリサーチャーを見つけることです。ポルトガルのサッカーファンの90%がベンフィカ、スポルティングまたはポルトを応援していてして、のこりは、ヴィトーリア、ブラガとファマリカンといったところでしょうか。
地方の多くのチームは、年配の人たちが所有し、コーチをしていて、いつもソーシャルメディアを使っているわけではないので、そこで何が起こっているのか、特にスタッフの人事についての情報を受け取るのは非常に難しくなります。
最初にBrunoがCarlosを主観的なデータベースと遠回しにディスり始めたのが面白かった。
元ポルトガルのヘッドリサーチャとしてJosé Chieiraの名前が上がっていたが、同じ名前の人がスポルティングリスボンのスカウトをやっているのだが、本人か?
とりあえず経歴がリスボンとポルトガル人のスカウトだったり、ギリシャの名門のパナシナイコスのチーフスカウトだったりして凄い。
ベンフィカ、スポルティング、ポルトの3チームのユースは優秀みたいな話があったが、FMではこのチームのユースたちは高めのポテンシャルが設定されているし、現実でも最近、ポルトの18歳ファビオ・シウヴァが移籍金50億円でウルブスへ移籍をしていたりする。
その他のクラブ出身のワンダーキッドとしてジョッタがあがっていたが、自分の能力を上げて欲しいとリサーチャーに頼むところが可愛かった。
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