今回のプレイガイドはセリエAのパルマです。2015年に破産をしてセリエDまで落ちましたが、毎年昇格をして2018年にセリエAに再び戻ってきました。ジョシュア・ザークツィー
以前に紹介をしたFCルツェルンの戦術で、空中戦が強い選手と、足の速い選手を組み合わせて、相手が引いても、前に出ても攻められるポイントを作って上手く行ったことがありました。なので今度は似た発想で、前に出てきたら足が速い選手で攻めるところは同じで、引いた場合にロングシュートを打つことを狙って、ロングシュートが得意な選手を中盤に並べる戦術を試してみることにしました。
他のクラブのプレイガイドもこちらでまとめてあるので、よろしければご覧ください。
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戦力確認
ゴールキーパー
セペ、コロンビと優秀なキーパーがおり、正ゴールキーパーが怪我をしてもそれほど心配ではなさそう。
ルイジ・セペ
1対1、ハンドリング、反応が高く、シュートストップが得意。他の能力もフィジカルも含めて全般的にそこそこ良く、優秀な選手。ビルドアップ面では、視野が高いのでパスコースは見つけられるが、パスが低いので精度が微妙。
シモーネ・コロンビ
コーチングが得意。他の能力も全般的にそこそこ高く、セペの控えにはなってしまうが、2番手にしておくにはもったいないレベル。ちなみにビルドアップ参加は、パスと視野がとても低く、苦手な感じ。
フィリッポ・リナルディ
17歳の超若手選手。ハンドリング、空中リーチ、反応などはそこそこ良いのだが、1対1、コーチング、ポジショニング、予測力、集中力、冷静さといった能力が非常に低く、課題が多い。
センターバック
1番手のアルヴェスの年齢は気になるが、全体的に欠点の無く使いやすい選手が揃っている。
ブルーノ・アルヴェス
守備の能力はそこそこ優秀で、空中戦が強く、パスもできる選手。冷静さの低さと、足の遅さが気になるのと、非常に年齢が高いので、健康さが20とはいえども、1シーズンでもそこそこ能力は落ちそう。
マッティア・バーニ
全体的にそこそこ優秀という感じで、良くも悪くも個性はあまりない。ビルドアップは最低限。
ジョルダン・オソリオ
バーニと同じく全体的にそこそこ優秀という感じ。使い勝手は悪くないが、大きな個性を持ったフォワードを相手するのは苦手そう。
ラウタロ・ヴァレンティ
ジャンプ到達点や強靭さがあり、エリア内のバトルは得意な感じ。ポジショニングが12だったり、集中力が10と少し物足りないところもある。
右サイドバック
右サイドバックの選手は4人と多め。整理をしたほうが良いと思うが、33歳と高齢のイアコポーニや、能力が物足りないブシあたりが候補か。
アンドレア・コンティ
全般的にどの能力もそこそこ良いレベルで、攻守ともになんでもできる良いサイドバック。ジャンプ到達点も12もあり、サイドバックとしては優秀。しいて言えば集中力が10とあまり高くなく、プレイの安定感が気になる。
シモーネ・イアコポーニ
センターバックとサイドバックができることもあって、両者の中間のような能力をしている。センターバックとしてはポジショニングや予測力が物足りないが、クロス、オフザボール、パス、視野と言った攻撃やビルドアップ関係の能力がそこそこあり、サイドバックとして攻撃参加ができる選手という感じ。ジャンプ到達点が14とサイドバックとしてはかなり高いが、年齢のせいか足の速さは微妙。
ヴァンサン・ローリニ
コンティと比べるとレベルは落ちるが、彼も全般的に何でもできる選手。ジャンプ到達点だけは9とサイドバックとしては悪くはないのだが、身長の高い選手とマッチアップする苦労をしそう。
マキシム・ブシ
マーキングが10と最低限レベルだったり、ポジショニングが9とあまり良くなく、守備は微妙な選手。視野も9とビルドアップ参加は苦手そうだが、ほかは悪くはないレベル。
左サイドバック
ガリョーロ、ペセージャとともに、欠点がなく使いやすいタイプで、空中戦も弱くないので守備は比較的安定はしそう。同じくらいの総合能力だが、足の速さを優先するならペセージャ、それ以外ならガリョーロといった感じか。
リッカルド・ガリョーロ
サイドバックとセンターバックを両方できる選手だが、こういったタイプの選手にありがちな、センターバックとして使うには守備力や空中戦が微妙だったり、サイドバックとして使うには攻撃力が物足りないと言ったことはなく、どちらも問題なくこなせそうな優秀な選手。スキル、メンタル、フィジカルと全てが割と優秀で、センターバックを問題なくこなせるし、サイドバックとしては空中戦も含めて隙のない守備ができる。一方で攻撃面も視野が最低限あり、パスや判断はそこそこ優秀なのでビルドアップもできるし、クロスも得意という感じ。
ジュゼッペ・ペセージャ
スピードと加速力が高評価で足の速い選手。他の能力は全般的にそこそこで、何でも最低限はできる感じ。ジャンプ到達点が12とサイドバックにしては空中戦が強い。
ミッドフィルダー
クツカ、クルティッチ、シプリェンとロングシュートが得意な選手が多い。あまり欠点がなく、何でもそこそこできる選手が揃っている。
ユライ・クツカ
一時期ミランにもいたベテラン選手。能力が全般的にそこそこ良く何でもできるが、高齢のせいか足は遅め。特に加速力が8と低い。ロングシュートが得意なので、今回の狙いにぴったり。
ヤスミン・クルティッチ
クツカと似て何でもできてロングシュートが得意な選手だが、オフザボールが16と高めで、マーキングが9と低かったりして、少し攻撃的な選手。
エルナニ
スキル、メンタル、フィジカルと全般的にそこそこで何でもできる選手。タックルが15と高めで、どちらかといえば守備の選手。
ウィラン・シプリェン
タックル、ポジショニングは10最低限で、マーキングは8と低めで、守備には少し心配がある選手。守備的ミッドフィルダーとして使うのは微妙そう。一方でビルドアップ、攻撃、フィジカル関係はそこそこで、ロングシュートが16と得意。
ガストン・ブルグマン
この選手もなんでも屋という感じ。その中でもチームワークと運動量が高いので、献身的に走り回れるタイプだったり、テクニック、パス、視野がそこそこ高いので、質の高いパスを出せる。
アルベルト・グラッシ
タックルが高いが、マーキングやポジショニングなど、総合的に守備を見ると特別優秀ではない感じ。他の選手と似て、割と何でもそこそこできるタイプ。
ウイング
ジェルヴィーニョはなかなか尖った能力をしていて個性的だが、他の選手はバランスの良い能力をしている感じ。
ジェルヴィーニョ
33歳と高齢の選手ではあるが、スピードと加速力がとても高く、足が速く、ドリブルもうまい一方で、メンタルの集中力や冷静さが低く、プレイの安定感に問題があったり、タックル、マーキング、ポジショニングが低く守備が苦手といった、若い感じのスタイルの選手。しかしながらオフザボールが高かったり、視野と判断力がそこそこあるのでそこそこパスが出せたり、決定力もそこそこあってシュートもそこそこ上手かったり、スタミナや運動量が低かったりと、少しベテランっぽさもある。
デニス・マン
何でもそこそこできる一方であまり個性がない選手。決定力が高くシュートが得意だったり、加速力が高いので瞬発的な飛び出しは良かったりするので、インサイドフォワードっぽい感じはするが、オフザボールも高ければよかったのにという感じ。
マッティア・スプロカティ
何でもそこそこできてあまり個性のない選手。両利きで両ウイングができるので、控えにいると便利か。
ヴァレンティン・ミハイラ
スピードと加速力が高く、足が速い。オフザボール、チームワーク、運動量もそこそこなので、どちらかというとボールを持っていないときの動きで勝負をする選手。他の能力は最低限という感じで、全般的に見るとセリエAでは物足りないレベルか。
フォワード
ペッレ、コルネリウス、イングレーゼ、ザークツィーとターゲットマン系の選手がそろっている。
グラツィアーノ・ペッレ
元イタリア代表のベテランフォワード。ジャンプ到達点、強靭さ、バランスが高いので、空中戦やフィジカルコンタクトに強く、さらにファーストタッチも高いのでボールがおさまりやすい。さらに、パス、視野、判断力といったパス関係の能力も高く、冷静さもあってプレッシャーのかかる場面でも落ち着いてプレイができるので、ボールがおさまったあとの展開にも期待ができる。オフザボール、予測力、判断力が高く、攻撃時の位置取りがよく、決定力、テクニックも高いのでシュートも上手く、得点力にも期待はできそう。しかし、足が遅いので、展開や戦術によっては力が発揮できないこともありそう。
アンドレアス・コルネリウス
ペッレっと似たタイプだが、27歳とペッレと比べれば若い。フィジカル面ではペッレと同じくらいだが、スキルとメンタルでは少し劣る感じ。足の速さに関してはトップスピードはそこそこだが、加速は遅い感じ。
ロベルト・イングレーゼ
欠点がなく、何でもそこそここなせる。その中でも特に、オフザボールが高かったり、ジャンプ到達点が高いので空中戦が強かったりする。また、視野がフォワードにしては高いので、ポストプレーでボールを受けた後の展開も期待が出来そう。
ジョシュア・ザークツィー
目立つ長所としてはジャンプ到達点が高いこと。ファーストタッチ、バランスあたりが高くボールのおさまりが良く、視野が高いのでそこからの展開にも期待が出来そう。
ヤン・カラモウ
ターゲットマンタイプのフォワードが多い中で唯一の俊足フォワード。ドリブルも得意だったりする。オフザボールが13と悪くないのだが、判断力が8と低かったり、予測力が10と高くないのが気になるところ。
戦術
最初に記載をしていた戦術の狙いの通り、前線には足が速い選手を並べる。両ウイングはジェルヴィーニョとマン、フォワードにはカラモウを起用する。両ウイングは中央に切り込んで得点を狙うことを期待するので、両者ともインバーテッド・ウイングの攻撃、フォードも裏のスペースを積極的に狙って欲しいのでポーチャーを起用する。
中盤でも最初に記載をした通りロングシュートが得意な選手を起用して、クツカとクルティッチの組み合わせ。ロングシュートを打てるようになるべく中央に位置してプレイをして欲しいという期待からセントラルミッドフィルダーのサポートを任せる。
中盤の底に守備のバランスをとるために守備的ミッドフィルダーを配置する。ここは守備の能力が高めのミッドフィルダーのエルナニに任せる。
サイドバックは両方ともウイングバックのサポートを起用する。中央へ入るウイングとバランスをとるため、サイドの張った位置でプレイをすることを期待する。右はローリニを起用。コンティは集中力が低いので、イアコポーニは高齢のためシーズン中に能力が落ちるので消去法で選択。左はペセージャを起用。ガリョーロのテクニックが低いのが気になったのでこっちも消去法。
センターバックはアルヴェスとオソリオを起用。キーパーは序列が一番手のセペをそのまま起用した。
リーグ戦は5位で、理事会の期待は中位だったのでなかなかの成績だったと思う。ローテーションをしたカップ戦は3回戦と早期の敗退になった。
失点は35と少ない代わりに、得点が47と物足りない感じ。ロングシュートのためにセントラルミッドフィルダーのサポートを起用したことが、中央の前過ぎない位置に選手がいることで、守備で良い感じに働いたということか。
ホームでは14勝1敗4分とかなり優秀な成績を収めて、リーグで1位の結果だった。
一方でアウェーでは11位と微妙な成績。前線に足が速い選手がそろっているので、アウェーの方がカウンターでそういった選手が生きて良い成績が納められるかと思ったら、逆の結果となった。裏抜けをするフォワードへのパスの供給源が無かったのか、カラモウの運動量が低いせいか。
評価の低いカラモウを無理やり使ったが、12得点とそこそこ頑張ってくれた。一方でウイングのジェルヴィーニョやミッドフィルダーは思ったより点を取ってくれなかった。
課題
戦術面で特別狙った通りに行っているわけではないが、割と良い成績を収めてしまったので、なにか釈然のしない感じ。裏抜けを狙うにしても、そこにパスを出すために中盤にプレイメイカーが必要だと思うので、ディープライイング・プレイメイカーのように中央固定でパスを回すタイプの役割を使えば、ロングシュートとも両立ができるので良かったかもしれない。また、インバーテッドウイングだと裏抜けをそこまで狙わないかと思うのでインサイドフォワードにしておけばよかったかもしれない。そもそも、このクラブはターゲットマンが多いので、そこを利用した戦術にした方が良かったかも。
選手層を見るとフォワードにやたら選手が偏っているのが気になる。センターバックあたりにもうちょっと人材が欲しいところか。
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