今回は見たニュースからの思いつきで、日本の18-34歳の人口が半分になったのを、現在のサッカー日本代表で例えるとどうなるかを、サッカー監督ゲームFootball Manager 2023のデータを用いてみてみました。
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先日、日本の年間出生数がついに80万人を割ってしまったというニュースがあった。
22年出生数の80万人割れ、日本の「静かな有事」=官房長官 https://t.co/u2qcv9adBe
— ロイター (@ReutersJapan) June 2, 2023
これは2017年に、厚生労働省の施設等機関である国立社会保障・人口問題研究所が発表をした日本の将来推計人口の資料の中の、今後の日本の出生率を低く予測した場合のペースと同じくらいの勢いで出生数が減っている。そして、同資料内の推計だと、そのペースだと2065年には18-34歳の人口が今の半分になるらしい。ちょうど18-34歳というと現役サッカー選手の年齢と同じくらいかと思うが、この年代の人口が半分になった場合どうなるかを体感して見るために、日本のサッカー人口を半分に減らした場合に、日本代表がどうなるかを検証してみる。
具体的に何をするかというと、サッカー監督ゲームFootball Manager 2023を用いて、日本国籍を持っている選手のCA(現在の能力の総合値的なもの)を5刻みでグループ分けをして、同一のグループから日本代表として半分の人数しかピックが出来ない縛りをもうけて、代表を選出してみる。日本代表が強くなるようにピックをするが、現実だと残る選手はランダムに半数になると思うので、今回は世代の中で幸運にも良い選手のポジションがバラけた場合だと思う。つまり、ジェラード、ランパード、スコールズ、ジョーイ・バートンと優秀なMFが同じ年代に出てきてしまったイングランドとは逆ということになる。また、それぞれのグループが偶数ではないときれいに半分に人数がピック出来ないので、奇数のグループは、1つ下のCAのグループからCA、年俸、移籍金評価額を順に評価して、一番高い選手を借りてくることにする。つまり、CAが一番高い選手か、CAが同じ選手が複数いればその中で年俸が一番高い選手、それでも並んだら移籍金評価額で選ぶという感じ。今回は現時点のCAで代表を選ぶので、次回の2026年北米W杯を狙った選出ではなく、どちらかというと直近の2022年W杯のメンバー選出がこうなっていたという考えが良いと思う。ちなみにFM23はデフォルトだとJリーグのデータがないので、JリーグModを導入して検証をしています。また、代表引退をしている選手の扱いが難しいので、今回の検証からは外しています(長谷部誠)。
というわけで早速行ってみたいと思う。とりあえずグループ分けは以下の通りとなった。(誤字があったら申し訳ない。あと、選手のCAが何となく分かるので軽いネタバレ的要素を含む)
146-150
冨安健洋、守田英正
141-145
三笘薫、鎌田大地、久保建英、古橋亨梧(136-140)
136-140
菅原由勢、南野拓実、堂安律、遠藤航
131-135
板倉滉、伊東純也、原口元気、邦本宜裕
126-130
伊藤洋輝、前田大然、旗手怜央、藤本寛也、浅野拓磨、川辺駿
121-125
遠藤渓太、中島翔哉、久保裕也、吉田麻也、森岡亮太、中村航輔、谷口彰悟、奥川雅也、相馬勇紀、中村敬斗、三好康児、上田綺世、柴崎岳、岡崎慎司
116-120
井手口陽介、高丘陽平、天野純、家長昭博、室屋成、ダニエル・シュミット、香川真司、瀬古歩夢、西村拓真、上月壮一郎、渡辺剛、植田直通、三竿健斗、川島永嗣(111-115)
111-115
オナイウ阿道、脇坂泰斗、前田直輝、鈴木冬一、山根視来、鈴木優磨、町田浩樹、斉藤光毅、大迫勇也、林大地、仲川輝人、小川諒也、坂元達裕、中山雄太、安西幸輝、岩田智輝、森島司、町野修斗、田中碧、浅野雄也、稲垣祥、伊藤達哉
現実では2022年W杯に選ばれていた、権田修一、長友佑都、酒井宏樹といった選手はJリーグの選手なのでModで追加される選手となるのだが、評価があまり高く設定されておらず、ここまでのメンバーには名前が入らなかった。
というわけで上記から、独断と偏見で日本代表を選んだ結果が以下の通り。
GK
中村航輔(ポルティモネンセ/ポルトガル)
ダニエル・シュミット(シント・トロイデン/ベルギー)
川島永嗣(ストラスブール/フランス)
DF
板倉滉(ボルシア・メンヒェングラートバッハ/ドイツ)
伊藤洋輝(シュトゥットガルト/ドイツ)
吉田麻也(シャルケ/ドイツ)
谷口彰悟(アル・ラーヤン)
菅原由勢(AZ/オランダ)
室屋成(ハノーファー/ドイツ)
小川諒也(ヴィトーリア/ポルトガル)
中山雄太(ハダーズフィールド/イングランド)
MF
守田英正(スポルティング/ポルトガル)
鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)
遠藤航(シュトゥットガルト/ドイツ)
旗手怜央(セルティック/スコットランド)
柴崎岳(レガネス/スペイン)
田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
FW
三笘薫(ブライトン/イングランド)
伊東純也(スタッド・ランス/フランス)
前田大然(セルティック/スコットランド)
相馬勇紀(カーザ・ピア/ポルトガル)
上田綺世(サークル・ブルッヘ/ベルギー)
三好康児(アントワープ/ベルギー)
という感じで、以上の結果となった。CAのグループ訳別に見ると以下の通り。
146-150
冨安健洋、守田英正
141-145
三笘薫、鎌田大地、久保建英、古橋亨梧(136-140)
136-140
菅原由勢、南野拓実、堂安律、遠藤航
131-135
板倉滉、伊東純也、原口元気、邦本宜裕
126-130
伊藤洋輝、前田大然、旗手怜央、藤本寛也、浅野拓磨、川辺駿
121-125
遠藤渓太、中島翔哉、久保裕也、吉田麻也、森岡亮太、中村航輔、谷口彰悟、奥川雅也、相馬勇紀、中村敬斗、三好康児、上田綺世、柴崎岳、岡崎慎司
116-120
井手口陽介、高丘陽平、天野純、家長昭博、室屋成、ダニエル・シュミット、香川真司、瀬古歩夢、西村拓真、上月壮一郎、渡辺剛、植田直通、三竿健斗、川島永嗣(111-115)
111-115
オナイウ阿道、脇坂泰斗、前田直輝、鈴木冬一、山根視来、鈴木優磨、町田浩樹、斉藤光毅、大迫勇也、林大地、仲川輝人、小川諒也、坂元達裕、中山雄太、安西幸輝、岩田智輝、森島司、町野修斗、田中碧、浅野雄也、稲垣祥、伊藤達哉
上記の通りの感じになる。
まずはCA146-150のところが冨安健洋と守田英正という難しい二択になったのだが、CBやRBには板倉、伊藤洋輝、菅原といった悪くない選手たちがいる一方で、セントラルMFはFM23上の話になってしまうが近いレベルの選手が遠藤航しか居なかったので、守田を選んだ。
CA141-145のところには現実の2022W杯で選ばれなかった古橋亨梧が居たので、まずはなるべく現実に則するということで彼は落選させることにした。これにより日本代表的にはあまり変化をした感じは無いが、日本人のスコットランドリーグ得点王は消えてしまったことになる。そしてその古橋と同じポジションで、現実でも非常に活躍をしている三笘は選ぶことにした。残るは鎌田と久保建英の二択なのだが、彼らをトップ下で使うことを考えているのであればどちらでも良い気がして、今回はこの判断で、よりCAが高い鎌田を選んでみた。しかし久保はプレイが出来るポジションが多いので、場合によってはこちらの選出もあると思う。どちらにせよ好みの問題だと思う。
CA136-140は、手薄なポジションの菅原と遠藤航を選択。日本に2列目の選手は多いと思うので、残念ながら南野と堂安律は選ばなかった。
CA131-135は、現実で落選をした原口元気と、そもそも一度も日本代表に招集をされていない邦本宜裕が居たので、彼らを選ばないことにして、結果として板倉滉と伊東純也を選出。邦本はポルトガルでの活躍が評価をされてか、FM23上ではそこそこの評価がされている。邦本は色々あったが若手の頃は将来を期待されていた選手でもあるので、これくらいの選手になるポテンシャルはあったのかもしれない。
CA126-130は、ここまで選んだ選手のポジションを考慮して、まだスタメンに空きのあるCBで伊藤洋輝とFWの前田大然をチョイス。残りの1人は、残りの選手の中で一番評価が高かった旗手怜央を選んだ。
CA121-125は、手薄なポジションや現実の2022W杯で選ばれたメンバーなどを考慮した結果、吉田麻也、中村航輔、谷口彰悟、相馬勇紀、三好康児、上田綺世、柴崎岳といったメンバーを選出。
残りは空いているポジションということで、GKでダニエル・シュミットと川島永嗣、右SBの室屋成、左SBの小川諒也と中山雄太、ミッドフィルダーの田中碧となった。田中碧はCA的には同じポジションにより優秀な選手がいるが、現実の日本代表での重要性を考慮して選出をした。
というわけで、今回で半分にしたことによって選ばれなかった主力選手は冨安、久保建英、南野拓実、堂安律、浅野拓磨あたりか。堂安と浅野は2022W杯で大事な得点を決めたメンバーでもあるので、もし彼らが居なかったらあの奇跡的な勝利は無かったかもしれない。
一方で、現実でW杯で選ばれなかった選手や、FM23上では高評価となっている選手、同じポジションで似たレベルの選手が多かったりすることから、半分にした影響はそこまで大きくなかったように感じる。前目のポジションに優秀な選手が多く、そのためGKやDFなどの選手は数多くの前線の選手に埋もれたおかげで、ほぼほぼそのポジション内の優秀な選手を選ぶことが出来た。選べなかったのは冨安健洋くらいな気がする。つまり、今回は恣意的に選んだのでこのようにマシな結果になったが、現実のようにランダムに選手が半分になっていたら、守備陣は酷いことになっていたかもしれない。実際に少し前までは欧州のトップレベルでプレイをしているGKは川島永嗣だけだったし、CBは吉田麻也だけだった気がする。
今回、半分にした日本代表を、他の国の代表と比較すると、アジアだとイランと韓国(日本より少子化がヤバいと噂だが)と同じくらいのレベル、欧州だとギリシャ、南米だとパラグアイ、アフリカだとカメルーンと同じくらいのレベルになるのだが、どこも現時点で日本が勝ったり負けていたりしている相手なので、あまりレベルが変わっている実感が無い。しかし、やはり選手層が薄くなっているので、アルゼンチン、スペイン、ドイツ、ベルギーなどといった強豪国を相手に奇跡を起こせる可能性は減るのではないか。そして、代表ではなくクラブやリーグベースで見れば、現在4大リーグでプレイをしている選手は現在の13人から半分になるかもしれないし、JリーグもACLにおいて、出生率が2を超えているサウジアラビアや、移民を大量に受け入れているカタールなどを相手により苦戦をすることになるかもしれない。
ここから下は、サッカーの話はほとんど出てこないので、興味がない人はここまで。
このように人口が減ることにより、日本はあらゆる場面で国際的な競争力を失って行く可能性があると思う。筆者の思想は置いておいて、この対応策として簡単に思いつくのは出生率を増やすことだと思う。しかし、先進国では社会の複雑化による仕事の難易度上昇や、それにともなう大学進学率の増加で、子供1人を大人に育てるためのコスト増加や、産業構造の変化や企業の成熟により、昔のように農家だったりで、子供が将来的に家業に参加をしたり継いだりすることも無くなり、家において子供を持つメリットも減っていくからか、ほとんどの国が発展とともに出生率は減少をしていて、どう政治を頑張ったところで出生率を増やすだけでは限界がある気がする。もちろん、だからといって出生率を増やすような政策をしなくては良いという話にはならないと思うが、実際に子育て政策が充実しているフランスでも出生率は1.83(2020年)、スウェーデンでも1.66(2020年)と、人口を維持するレベルに届いていないし、よく先進国の定義として使われる事が多いOECDの国の中で、出生率が2を超えているのは、イスラエル、メキシコ、トルコの3つだけだ。そしてそのメキシコとトルコも1人あたりのGDPはOECDの下から1位と2位で、やはり先進国はどう頑張っても出生率が低い傾向で、それだけで人口の維持は厳しいようだ。唯一の例外がイスラエルで、出生率は2.9(2020年)という異常な数値で、1人あたりGDPも世界で14位(2020年)で日本の1.5倍以上だったりする。軽く調べたところによると本当かどうかは分からないが、イスラエルは国民の多くがユダヤ教徒で、ユダヤ教的に子供を多く生むことを推奨していたり、今までの歴史で培った民族内で協力をしあう文化のおかげか、親戚だけではなくご近所さんまで育児に協力的らしく、親の育児負担が比較的軽いらしい。
となると、人口を維持するためのもう一つの方法としては、移民受け入れというものもあると思う。国内での生産が不足するなら、輸入をするという考えである。サッカーで見ても、フランス、ドイツ、ベルギー、イングランド代表などは海外にルーツを持つ選手が多く存在をしていて、そのおかげで競争力を維持が出来ているのではないかと思う。そして他の分野でも、競争力の維持や、労働力の確保といった面で、様々な国が移民を活用していると思う。例えばアメリカは、出生率が1.64なのだが、移民を大量に受け入れているからか、人口はコロナ前までは伸び続けており、GoogleやIBMなどのCEOはインド人だったりする。前述の通り、人口維持を目指すには、出生率対策だけでは片手落ちで、移民政策もセットでやる必要があるのではないかと思う。オーストラリアでは農業に従事させるためにベトナム人を生活費と別に年間約400万円を支給して受け入れるような制度があったり、韓国でも手取りで年収200万円くらいで居住費や食費は無料といった待遇が用意されていたりと、世界的に見ると移民を取り合っているようにも見える状況がある気がするし、専門的な技能を持っていたり、大卒や院卒など高いレベルの教育を受けている高度な人材であればなおのこと取り合いになるかもしれない。しかし、移民受け入れもメリットだけではなくデメリットももちろんあって、文化や宗教的な違いによる摩擦や、移民輸出国は全体的に見れば教育のレベルも先進国と比較をすると低いものかもしれず、治安は悪化するかもしれない。また、移民受け入れにより労働人口は増えるものの、その労働人口が増えるゆえに、移民受け入れ側の出身の労働者が就職活動が難しくなる可能性がある。実際に、アメリカでのトランプ大統領誕生や、イギリスのEU離脱は、そういった就職活動が厳しくなった事により生活に悪影響を受けた国民が国粋主義に傾いたり、それはそれで自国民が原因の治安悪化につながるかもしれない。
もちろん、人口の維持をすることを諦めるという判断もあるかもしれない。世界的な競争力なんてものも気にしなくて良いかもしれない。しかし、日本はGDPにしめる輸出額の割合が低く、産業的に内需に依存をしているので、人口減少は需要減少に直結をする気がする。技術革新などで供給力がアップをしても、需要が減っていくので、おそらく今のような需要が供給に負けていて、そのため買い手が有利になり、商品の値段を上げることが難しく、さらにその価格競争のために労働者の賃金を上げることが難しくなり、その中でも海外の製品の物価は上昇をしていき、一般人の生活が苦しくなっていくというスパイラルは続いていくだろう。どんなに仕事を頑張って生産をしたところで、需要がが充分ではないので、幸せになることはないだろうし、これが今の日本の悲しさの正体だろう。なので、とりあえず一般市民が幸せになることは無さそうだし、状況は悪化をしていく気がする。生産のためだけではなく、需要のためにも、人口の維持や増加は大事な話な気もする。とは言っても残念ながら、たとえ今急に出生率が2になったところで、人口減少が止まるのは30-40年後くらいというシミュレーション結果もどこかで見たような気がして、おそらく失われた30年はしばらく記録更新をしそうで、子供や孫の世代でやっと日本の衰退が止まることを目指すような考えで政治を考えていかなければならないのかもしれないし、自分の世代ではどうにもならないのでとりあえずなんとか自分の代は逃げ切るという考えもあるかもしれない。
今回の記事では、論文だったり本ではないので引用はちゃんと書いてないけど、調べたらすぐ出てくるレベルのものだと思うのでご愛嬌とさせてほしい。
トミが消えるなんてグーナーの私からは受け入れられない!笑
返信削除人口減は難しいテーマですね サッカーやってる子も出生率以上に減ってそうだしなあ
ポーランド代表続編待ってます!
ハンガリーでしたあああ
削除楽しく読ませていただいてるのに大間違い大変申し訳ありません!
アーセナルで活躍する日本人なんて、これからもなかなか出てくるのは難しそうですもんね…!
削除いえいえ!ありがとうございます!