今回はイングランド2部のノリッジのプレイガイドを書きました。
今季2部に降格をしたクラブですが、移籍した選手がほとんどおらず、ほぼプレミア時代と変わらないメンバーで、2部では強すぎる戦力を抱えています。
今回は実験的に、今まであまり使ったことのなかったワイドプレイメイカーを利用した戦術を考えてみました。
他のクラブのプレイガイドもこちらでまとめてあるので、よろしければご覧ください。
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戦力
2部にもかかわらず、ブエンディア、マックス・アーロンズ、キャントウェル、プッキ、クルルなどなど優秀なメンバーを多く抱えており、2部ではちょっと反則なきがする。
キーパー
クルル、ニーラン、マクガヴァンと代表経験があるキーパーが3人もおり、2部にしては豪華すぎる選手層。
ティム・クルル
オランダ代表経験もあるベテランキーパー。1対1、反応、空中リーチが高く、どんな場面でも優れたプレイができる。一方で視野は4と低くビルドアップは苦手。
エルヤン・ニーラン
2部であればかなり優秀な正GKなレベルな気がするが、ティム・クルルがいるため控えに回ってしまうと思うのでもったいない感じがする。特に反応と敏捷性が16と優れている。
マイケル・マクガヴァン
北アイルランド代表のベテランキーパー。支配力は9と低いが、それ以外のキーパー能力は13前後と悪くなく、第3GKとしては優秀すぎるレベルだと思う。
センターバック
2部にしては優秀なセンターバックがそろっているが、3人しかおらず層は薄め。今期の数少ない退団者のベン・ゴッドフリーがセンターバックで、その補強は出来なかった感じか。
ベン・ギブソン
ジャンプ到達点が13と高くなかったり、足も速くなかったりと身体能力は低めだが、スキルとメンタルが優れているセンターバック。特にタックルが16と優れていたり、リーダーシップも高かったりする。
グラント・ハンリー
守備能力、フィジカル、気合はあるが、攻撃的なテクニックは無いというオールドスクールなセンターバック。タックルが得意だったり、ジャンプ到達点と強靭さが高かったり、勝利意欲、積極性、勇敢さが高い一方で、テクニック、ドリブル、パス、ファーストタッチ、視野といった能力が低評価だ。また、判断力や冷静さも低いので、プレイ判断や安定さに欠ける面もある。チームのキャプテンであり、リーダーシップも17とかなり高い。
クリストフ・ツィマーマン
ジャンプ到達点が高く、スピードが遅め、マーキングが高いという典型的な引いて守るためのセンターバック。ヘディングも16と高く、セットプレイの時には得点も期待できそう。パスと視野がそこそこ高く、パスも出せるセンターバック。能力とプレイ特性があっていて、マーキングの高さが活きる「相手をタイトにマークをする」や、パスと視野の活きそうな「サイドへボールを振るのを好む」があるが、ドリブルが6と低いのに「ディフェンスからドリブルで持ち上がる」ももっていたりするおちゃめな一面もある。
右サイドバック
マックス・アーロンズがビッグクラブも注目する期待の若手で2部にいるのはちょっともったいないレベル。2番手のバイラムも優秀な選手だが、今季絶望の大怪我をしていて、選手層は気になるところ。
マックス・アーロンズ
アーセナルやドルトムントへの移籍の噂もあって、2部にも落ちたので移籍をするもんだと思ったらまさかの残留をした選手。スピード、加速力、敏捷性が高く足が速い上に、攻守全般的に能力が13,14あたりのそこそこ良いレベルでおさまっており、20歳と若いがかなり完成した能力の選手。
サム・バイラム
能力が全般的に13前後で、2部であればかなり十分な能力をしている選手だが、残念ながら復帰まで8,9か月かかる大怪我をしていて、今期は絶望という感じ。
左サイドバック
快足で攻撃的なヤヌリスと、バランスが良いキンティージャとここも2部にしてはかなり層が厚いポジション。
ディミトリス・ヤヌリス
スピード、加速力、敏捷性が高く機動力に優れており、運動量も高い選手。ドリブル、オフザボール、視野と攻撃面はそこそこだが、タックル、マーキングがあまり高くなく、守備は微妙。
シャビ・キンティージャ
スタミナと加速力が14とそこそこ足が速く、運動量も高く、タックルが15と良く守備もそこそこ優れている。攻撃を見るとドリブルはあまり得意ではないが、パスが高く視野がそこそこなのでビルドアップ参加は得意で、クロスとオフザボールもそこそこ。判断力と予測力も悪くないのでプレイ判断も悪くなく、2部では結構良い選手だと思う。ただし勝利意欲が5と低く、ビハインド時に諦めやすいという欠点がある。
ミッドフィルダー
ゲームメイカー、ボックストゥボックスMF、守備が得意な選手と様々な選手がいて、かつ人数も多い。とりあえずどんな戦術でも対応は出来そう。
オリヴァー・スキップ
チームワーク、運動量、勝利意欲、積極性、勇敢さ、スタミナが高く、ボックストゥボックスMFな感じの選手。パスが高く、パスミスが少ない。
アレクサンデル・テッテイ
元ノルウェー代表のベテランMF。チームワーク、運動量、勝利意欲、積極性、勇敢さ、スタミナが高く高齢だが元気に走り回る選手で、タックル、マーキング、ポジショニング、予測力が高く守備が優秀。スピードと加速力が低く足が遅い。
ルーカス・ルップ
チームワークと運動力が多く、チームのために走り回る選手。テクニックも高く、プレイの技術的な質が高い。
ケニー・マクリーン
パスと視野が高いゲームメイカー。タックル、マーキング、ポジショニングがあまり高くなく、守備は微妙だが、攻撃は全般的にそこそこ。
ヤコブ・ソーレンセン
チームワークと運動量が高い、チームのために走り回る選手。オフザボールは最低限で、ドリブルは苦手だが、守備とビルドアップは悪くない感じ。
マリオ・ヴランチッチ
テクニック、パス、視野が高いゲームメイカー。フリーキックも上手い。
モリッツ・ライトナー
テクニック、パス、視野が高く、ヴランチッチと似たゲームメイカー。
マルコ・シュティパーマン
トップ下とセントラルミッドフィルダーが出来る選手だが、ドリブル、オフザボール、視野あたりが優れている一方で、タックル、マーキング、ポジショニングはあまり高くなく守備は微妙なので、どちらかというとトップ下な感じ。冷静さも高く、プレッシャーのかかる場面でも落ち着いてプレイが出来る。
キーラン・ダウエル
テクニックと視野が高いトップ下の選手。ドリブル、ロングシュートもそこそこだったり、攻撃面は全体的にそこそこ良い。
右サイド
まずブエンディアが2部では反則な選手。控えのエルナンデスも悪い選手ではない。
エミリアーノ・ブエンディア
2部においておくのはもったいないレベルの選手。降格時には移籍の噂も出たが結局は残留をして、15ゴール17アシストの大活躍だった。テクニック、ドリブル、ひらめき、バランス、敏捷性とドリブルに必要になる能力が全般的に高評価で、なかなかボールを奪われることはないだろう。パスと視野が高いのでパスを出すのも上手いし、オフザボールも良い。
オネル・エルナンデス
スピードと加速力が高く足が速い選手。オフザボールやドリブルもそこそこだが、判断力が低いのでプレイ判断が悪い。
左サイド
右サイドのブエンディアに続き、左もキャントウェルが2部では反則レベルの選手。
トッド・キャントウェル
ブエンディアが注目されがちだが、キャントウェルもなかなかの選手。テクニック、ドリブル、ひらめき、バランス、敏捷性がどれも優れている優秀なドリブラーで、オフザボールや視野も優れている。
プシェミスワフ・プワヘタ
スピードと加速力がとても高く足が速い選手。それ以外は予測力が低いが、だいたい最低限という感じ。
フォワード
プッキは間違いなく2部レベルの選手ではないが、年齢が高めだったので移籍先が見つからなかった感じか。ハギルも良い選手だし、アイダも2部では悪くない選手な気がする。
テーム・プッキ
チームワークと運動量が高い上に、オフザボールと予測力も高いので、ボールを持っていないときの動きの質と量がともにある選手。スピードと加速力があって足が速かったり、決定力もあってポーチャーに必要な能力が揃っているが、視野もあるので、パスを出すのもうまかったりする。
ジョーダン・ハギル
運動量、勝利意欲、積極性、勇敢さが高く、とにかく気合がある選手。気合だけではなく強靭さも高くあたりが強いのでなかなか凶暴。決定力、オフザボール、ジャンプ到達点、スピードあたりもそこそこある。
アダム・アイダ
スピードと加速力が高く足が速い選手。決定力もそこそこあって、オフザボールがちょっと低いが、下部なのでとりあえず足が速けれななんとかなっちゃうんじゃないかという気がする。
戦術
シュティパーマンの後ろの左サイドバックは、ワイドPMは内側に入るので、空いた外側を使うためにサイドバックの攻撃に設定をする。なのでここは攻撃参加が得意なヤヌリスを起用する。一方で右サイドはミッドフィルダーが攻撃的な設定なのでサイドバックはバランスをサポートの設定にして、アーロンズを使う。両サイドバックともにジャンプ到達点が低いので守備幅は広くして、クロスをあげさせる数を減らすようにする。
ミッドフィルダーの左は、サイドバックが攻撃的なのでバランスを取って守備的な役割を任せて、それにあった能力のテッテイを使う。一方で右はサポートにして、一番総合能力が高く、運動量やチームワークのあるスキップを起用する。
フォワードの左は、ワイドPMがプレイするエリアを確保するためにどんどん前に出るポーチャーを使って、足の速いアイダを起用。相方は、右サイドのブエンディアの隣でもあるので、周りのサポートをするフォルス9を使って、プッキを起用する。
センターバックはツィマーマンとハンリーの身長の高い組み合わせ。
キーパーは一番手のクルルを起用する。
結果
リーグ戦は優勝、カップ戦はそれぞれマンチェスター・ユナイテッド、ブライトンと早い段階であたってしまい負けてしまった。
リーグ戦の結果の詳細を見ると46試合と普通のリーグと比べると試合数は多いものの、勝ち点が100を超える頑張りを見せた。得点は89、失点は40で、それぞれよくあるシーズン38試合の換算で見ると73.5と33という感じで、失点は少ないが、得点はもう少し欲しかった感じか。
個人の成績を見るとアイダが32得点の大活躍で、相方のプッキも15ゴール10アシストとなかなかの活躍。
サイドの選手を見るとワイドPMを任せていたシュティパーマンが12ゴール8アシストと、まさかの得点のほうが多いという結果になった。これはシュティパーマンがジャンプ到達点が14と空中戦が強く、さらにヘディングが13と精度もそこそこあり、逆サイドのブエンディアからのクロスをヘディングで決める場面がそこそこあった結果だと思う。それはスタッツにも出ていて、シュティパーマンの1試合のヘディング成功数が2.23と1位、成功率は54%と攻撃的なポジションの選手にしては良い値となっている。
逆にその影響でブエンディアが7ゴール19アシストとアシストが多い結果となった。本当はシュティパーマンから逆サイドのブエンディアへロングパスを渡して、ドリブルで仕掛けてからの直接の得点を期待していたのだが、シュートが68本でチーム内2位で、得点期待値も8.44だが、それ以下の7点しか決めることができなかった。ブエンディアはテクニックがあるので多少難しいシュートも決められるのではないかと思ったが、そもそもロングシュートと決定力がそこまで高くなかったので、そううまく行かなかったのか。
課題
戦術面を見ると得点のそこそこな割合をシュティパーマンに頼っていて、ワイドPMを任せられるタイプで、更に空中戦も強いサイドMFとなるとなかなかそんな選手は少なさそうなので戦術の再現度が低そうな気がする。また、一番パスが多いのが右のセントラルMFという結果になり、プレイメイカーでもサイドだと、チームで一番ボールが集まるわけではなさそうということがわかった。ボールが集まっていた右のセントラルMFには視野のある選手を起用しても良かったかもしれない。
選手層で見ると2部レベルで見たら全く悪いところはなく、来季に1部に上がってもそこそこやっていけそうなレベルに見える。
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