2010年代の前半頃のニューカッスル・ユナイテッドは、イングランドのクラブなのだが、フランスのリーグの選手が優秀な割に安価で獲得ができるという考えのもと、フランスのリーグの選手を積極的に獲得することを行った。その結果として2012/13シーズンには13人ものフランス人選手が所属をすることになり、ロッカールームでの共通語がフランス語ではないかと言われることもあった。現在ではフランスの優秀な選手が色々なリーグへ進出をしているようで、ドイツではフランス人選手に自国の選手の出場機会が奪われてしまい、代表の弱体化の原因になるのではという人もいるらしい。そんなフランス人の獲得をしていたニューカッスルは時代の先取りをしていたのだろう。
そんなこんなで、当時のニューカッスルのフランスのように、自国以外の選手を多く抱えるクラブは現在でもいくつか存在していて、今回はそう言ったクラブを見ていきたいと思う。
ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFC
イングランドのリーグに所属をしているウルヴァーハンプトンだが、経営にポルトガル人の大物代理人のジョルジュ・メンデスがかかわっており、2017年夏からメンデスがかかわっている選手が多く加入をすることとなり、結果としてポルトガル人の選手が多く在籍をしている。2017年には、当時はまだ2部だったのだが、ビッグクラブが獲得を目指していたポルトガル人ミッドフィルダーのルベン・ネヴェスが加入をするという、驚くような移籍もあった。そんな勢いで積極的な補強を続けていったウルヴァーハンプトンは2018-19と2019-2020シーズンと連続でプレミアリーグで7位と好成績を残しており、BIG6に続くクラブとして地位を確かにしつつある。そんなウルヴァーハンプトンなのだが、FM21開始時点ではトップチームに9人のポルトガル人がいて、監督もポルトガル人で、コーチ陣も多くのポルトガル人がいるといった感じだ。それに加えて公用語がポルトガル語のブラジルの選手が1人いたり、言語的に似ているスペイン語が公用語のスペインの選手が2人と、メキシコの選手が1人いたりする。おそらくこのクラブは英語よりポルトガル語を使った方がコミュニケーションがスムーズに進むような気がする。
ルベン・ネヴェス
当時2部だったにもかかわらず、推定移籍金20億円でウルブスに加入をしたネヴェス。期待をされていた通り、1年目から活躍をして2部の優勝に貢献をして、自身も年間ベスト11に選ばれた。その後も中心選手として、プレミアリーグで活躍をしているウルブスを支えている。
ジョアン・モウティーニョ
チャンピオンズリーグで活躍をしていたモナコから、当時プレミアリーグ昇格1年目のウルブスに驚きの移籍をした。加入後は同じくポルトガル人のネヴェスと中盤でプレイをしている。年齢もそこそこ行っているが、昨シーズンはリーグ戦に全試合出場をする元気さ。
ルイ・パトリシオ
ユースから30歳まで母国のスポルティング一筋で、代表としても正ゴールキーパーとして活躍をし続けて80試合以上の出場をしているパトリシオですが、2018年に代表の同僚のモウティーニョと共にプレミアリーグに昇格したばかりのウルブスに加入をした。
ブレントフォードFC
イングランドの2部に所属をしているブレントフォードだが、本拠地がロンドンにあり、同じ地域にアーセナル、チェルシー、トットナムといった名門に加えて、さらにクリスタル・パレス、ウェストハム・ユナイテッド、クイーンズ・パーク・レンジャーズなどなど沢山のクラブがひしめいいる。そのため育成年代の選手の取り合いが激しく、2016年にはついにブレントフォードは育成することを諦めてアカデミーを廃止した。その代わりに北欧から多くの若手選手を獲得してBチームを形成してリザーブのリーグに参加をしている。FM21ではトップチームに北欧出身の選手が8人(デンマーク6人、スウェーデン1人、フィンランド1人)がおり、監督とアシスタントコーチもデンマーク人といった感じだ。前述のBチームも北欧出身の選手が7人いたりする上に、世界各地から選手を集めており、8か国の選手がいる。国内の選手も他のクラブのユースの出身となっている。
ポントゥス・ヤンソン
スウェーデン代表のセンターバック。能力だけを見ると、このレベルの選手が2部にいるのが不思議なほど優秀。イングランドは2部でも、トップディビジョンから落ちてきたクラブは資金力があり、レベルが高い気がする。
アステラス・トリポリスFC
ギリシャのリーグに所属をしているクラブなのだが、ここ数年スペインやアルゼンチンから自由契約となった選手を多く獲得しており、スペイン人が10人で、アルゼンチン人が7人といった感じで合わせてスペイン語圏の選手が17人という感じになっている。
ロドリーゴ・ゴメス
今季フリーで獲得をした、アルゼンチンの元アンダー代表の選手。この能力で年俸も2700万円ととても安い。
ルイス・フェルナンデス
スペインの2,3部でプレイをしていて、2019年にアステラス・トリポリスに流れ着いた選手。
ポルティモネンセ
ブラジルが元ポルトガルの植民地で、公用語もポルトガル語ということもあってか、ポルトガルのリーグにはブラジル人の選手が多く所属をしていていて、代表でもデコ、ペペ、ロニー・ロペスといったブラジル出身の選手がいたりする。その最もたる例のうちの一つが、日本人選手も良く所属をしているので馴染みがあるポルティモネンセで、13人のブラジル選手がトップチームに所属をしている。
マウリシオ
浦和レッズから期限付き移籍のはずだが、FM21ではなぜか完全移籍になっている。能力だけ見ればJリーグでは圧倒的な感じがする。
ファブリシオ・メシアス
同じく浦和レッズから期限付き移籍のはずの選手。スキルとフィジカルはあり、ボールを持った際のメンタルも悪くはないのだが、予測力が6と極めて低く、ボールを持っていないときに、敵味方を問わず周りの選手を見るのが苦手。
ウディネーゼ
イタリアからアルゼンチンの移民が多かった影響で、アルゼンチンの人口約4000万人中2500万人がイタリアにルーツを持っていたりするらしい。イタリア3部のサンベネデッテーゼには10人のアルゼンチン国籍を持っている選手がいるようですが、セリエAではウディネーゼにアルゼンチンが6人いる。そもそも、ウディネーゼはアルゼンチンに限らずとても国際色豊かなクラブで14か国の選手がいる。海外のスカウト能力に優れており、安く獲得してきた選手を高額で売るのが得意なクラブな気がする。最近の例だと、スロベニアのハンダノビッチ、チリのイスラとサンチェス、ガーナのムンタリ、コロンビアのクリスティアン・サパタあたりはウディネーゼを経てからビッグクラブへ移籍をしている。
ロドリゴ・デ・パウル
アルゼンチン代表の優秀なミッドフィルダーで、ビッグクラブへの移籍話がよく騒がれている。リヴァプールがワイナルドゥムの後釜に狙っているとか。
フアン・ムッソ
パウルと同じくアルゼンチン代表に選ばれているムッソ。この選手もインテルやミラン、アトレティコといった強豪クラブが狙っているという噂が流れたことがある。
ジェノア
イタリアのセリエAには、地理的に近くて、安くて優秀な選手が多い、旧ユーゴスラビアの諸国の選手が多く在籍している。その中でも特にジェノアは旧ユーゴスラビア諸国の国籍を持つ選手が8人もいる。
ミラン・バデリ
モドリッチ、ラキティッチ、コバチッチ、ブロゾヴィッチなど名だたる選手がいるクロアチアの代表で50試合以上も出場をしている。準優勝をした2018年のワールドカップでも3試合に出場をしていて、フル出場をしたグループステージのアイスランド戦では1ゴール1アシストの活躍をした。
ヴァロン・ベーラミ
元々はユーゴスラビアの今ではコソボの町の出身だが、幼少期に戦禍を逃れるために両親とともにスイスへと亡命をしている。亡命先のスイスでサッカー選手として頭角を現したベーラミは代表で83試合に出場をする活躍をしている。同じくユーゴスラビアからスイスへ本人、もしくは両親が亡命をして、その後にスイス代表となった選手としてはシャチリやジャカなどがいる。
シャフタール・ドネツク
知っている人は知っているかもしれないが、おそらくウクライナで優勝をしてチャンピオンズリーグに出場をしてくるブラジル人だらけのクラブという印象の人が多いと思う。その印象は真実で、ここ10年で8回のリーグ優勝をしているし、12人のブラジル人選手がいて、そのうち2人はウクライナの国籍を取得してウクライナ代表として試合に出場をしている。国内リーグの規定では外国籍の出場選手は7人までと定められているので、もはや国内リーグのルールはあまり気にしておらず、大陸大会を考えて選手を獲得しているように感じる。ヨーロッパリーグの前身のUEFAカップの優勝経験や、ここ10年で3回のチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出(2010-11は1回戦でローマに勝利をしてベスト8)をしている強豪で、ウィリアン、フェルナンジーニョ、ドウグラス・コスタ、エラーノ、マンチェスターユナイテッドのフレッジはシャフタール・ドネツクでヨーロッパデビューをしている。
タイソン
ビッグクラブへ移籍をする噂もあったが、メタリストからシャフタールとかれこれ10年以上ウクライナにいるタイソン。ウクライナにいながらもブラジル代表に選ばれるだけあって、とても優秀な能力をしている。
マルロス
ブラジル生まれだが、8年以上ウクライナにいた結果、ウクライナ国籍を取得してウクライナ代表となってしまった。タイソンと比べると少し劣るが、とても優秀な選手。
ジュニオール・モラエス
この選手もマルロスと同じくブラジル出身だがウクライナ代表となっている。クラブではシーズン20得点をすることもあったが、代表では1得点もあげられていない。
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